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2006/10/27

欲しいといってくれる読者さんのもとに確実に本を届けたい想いは同じはずなのに

今日配信の「いい書店、人気の本屋に学ぶ成功のヒント」0118号の最後のほうに、

また、出版社のせいで、書店の信用が落ちてしまった・・・。

という一文があり、すっかり哀しい気分になっている神楽坂の夕暮れです。いったいいつまでこうやって、おたがいに取引相手を疑い、憎みあい続けていくつもりなのでしょうか、この業界は。

ところで、書店用在庫と、一般用在庫を、出版社が分けて確保しているというのは、本当なのでしょうか。実際、そういう出版社もあるのかもしれませんし、このケースでの出版社は、過去にそういうことをしたという前例があるのかもしれません。でも、今回も本当に、出版社が書店用在庫と別に一般用在庫を持っていたのでしょうか。

お客さんが自分で出版社に在庫確認をした日は、メルマガの記載によれば、お客さんから書店さんに最初の問い合わせがあった日(書店さんが出版社に在庫確認の電話をした日)の「数日後」の「数日後」。具体的な日数はわかりませんが、この記載からすると、1週間くらいは経っているのかもしれません。

1週間あれば、返品が戻ってくるケースなんて、当然に考えられます。書店からの問い合わせを受けた時点では品切れでも、1週間後にお客さんからの問い合わせを受けた時点では返品による在庫があることは、非常に「ありえる」話です。このお客さんがひとりで同じ本を何十冊も買う、というのでなければ。

ただ、「ありえる」ことだけれど、ぜったいに「ある」とは言い切れない。なぜなら、いつ、どの本を、何冊返品するかは、書店さんが決めることだからです。出版社としては、可能性のあることとして推測することはできても、確実なものとして期待することはできません。だから、その時点でのある書店さんからの客注に対し「確実に出せます」とはいえないのです。この書店さんと出版社さんが、実際にはどのようなやりとりを電話でしたのかは、わかりませんけれど...

こう書房では、書店用在庫と一般用在庫という考え方は持っていません(よね?→営業部の方)。ただ、品薄商品の場合、書店さんからの客注および直販のお客さまを優先し、いわゆる「補充注文」の場合は品切れもしくは保留扱いにすることはあります。出荷しても返品される可能性がある「補充注文」よりも、確実に最終読者さんの手に本が渡る(買ってもらえる)可能性の高い注文のほうを優先するからです。それは、出版社の利益を守るという意味もありますが、それよりも、本当にその本を買いたいと思ってくれる読者さんのもとに優先的に本を届けたいと考えているからです。そのため、品切れ商品の返品が戻ってきた場合も、直販および客注分の保留短冊から優先的に出荷しています。

結果として、一方には「品切れです」といい、他方には「出荷できます」と答えるケースも、絶対ないとはいえません。そういう意味でいえば、二重在庫といわれても、しかたがないのかもしれません。

また、出版社には在庫がないのだけど、どこかの書店にはけっこうな数の在庫があるケースも少なくありません。ただ、その「どこかの書店さん」ではその本はあまり売れず、その本を欲している読者さんがいる地域の書店では品切れ。そこで出版社から直接買おうと電話をしたが、出版社にもない。だからといって出版社が、その「どこかの書店さん」に「返品してくれ」とは、なかなかいえない。そして本当に欲しかった人がその本の入手をあきらめた頃、その「どこかの書店さん」から返品が戻ってきたりする――というケースも、非常に「ありえる」話として存在するのです。

本は、出版社が直接抱えている=出版社が量を把握しコントロールできる「在庫(社内在庫)」とは別に、書店の棚に(いちおう名称は「買切」だったりもしますが、実情として)委託で置いてある=出版社が在庫数を把握できず、最後まで売られるのか返品の予定があるのかもわからず、返品される期日の予想もつかない「在庫(社外在庫)」があるのです。この意味での「二重在庫」が、商品流通を複雑にしているのですよね。

自分は他社さんのことは知りませんが、実際に書店用と一般用を分けて在庫管理している出版社も、あるのかもしれません。そうだとしたら、なぜ、そういう管理をするようになったのでしょうか。本を読者さんのもとに届けたい、読者さんに買ってもらいたいという点では、出版社と書店の利害は一致しているはずなのに、なぜ商品を別管理にしなくてはいけないのでしょうか。なぜ、別管理にすることで「出版社の利益」になる(と書店さんが考える)のでしょうか。

出版社が、書店を信用していないんです。
書店が、出版社を信用していないんです。
ついでにいうと、問屋さんも含めて、三つ巴で信用してない。
むしろ憎みあってる部分もあるともいえる。

なにか自分に不都合なことがあると、それを相手のせいにしようとする。
双方で問題解決の道を探そうというよりも、相手に対する愚痴や文句をいうほうを好む。
どちらか一方だけが悪いことなんて、ほとんどないのに。
誰かひとりだけが悪いことなんて、めったにないのに。

それでも、いわれてしまうのね。
出版社のせいで、書店の信用が落ちてしまったと。
自分の会社の利益しか考えていないと。
感じ悪いと。
それが実感なのでしょうか。
そして出版社も同様に、書店のことを思っているのでしょうか。
もちろん、そう思っている人がいたとしても、それは一部の人だと信じます。
だけど。
だけど...

少しでもよい本を、少しでも多くの読者さんのもとに届けたい。そのためのパートナーなのに。
その目的のために、それぞれにできること、協力すべきこと、たがいに力を貸しあえることを、探して、考えて、見つけて、実現に向けて一緒に行動すべきパートナーなのに。
なのになぜ、おたがいに不信の目を向け、憎みあわねばいけないのだろう。

すごく、哀しいよ。

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受信: 2006/10/29 01:49

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