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2009/11/11

電子ブックって実際はどういう人が読みたがっているのだろう?


紙パッケージでの書籍市場にある種の限界のようなものが見えてきて、それなら電子ブックはどうなんだという興味?が業界内に広がっているように思うのだけど、実際のところ、電子ブックを読みたいと思っているお客様って、どういう人たちなんだろう?

業界内では「紙の本を電子に」という思考方法からなかなか抜け出せないでいるように感じるけれど、

ある本を電子ブック“で”読みたい

というのと、

電子ブック“を”読みたい

というのとでは、お客様のライフスタイルや購買動機やその他もろもろがかなり違うように思う。

「紙の本を電子ブックに」ではなく、最初から「電子ブックを」という発想が必要に思うし、「紙の本を電子ブックで」ではなく、最初から「電子ブックを」読みたいお客様が増えることなしには、電子ブック市場そのものが拡大していくようには思えない。

などとむかしながらの業界発想から抜け出せない頭で行ったり来たりの思考をしているいまこのときもすでに、最初から「電子ブックを」読みたいお客様というのはきっと発生していて、その数も増えているのだろうと思うし、そうしたお客様たちはきっと、「紙の本を電子ブックに」発想をベースに展開される議論や商品開発について「ピンとこないな」とか「ぜんぜん違うんだよな」と感じてたりするんだろうな。

だいたい、最初から「電子ブックを」読みたいお客様が、自分が、最初から「電子ブックを」読みたいことに気づいているかどうかもわからない。でも、ある日どこかから、最初から「電子ブックを」読みたいお客様のライフスタイルや潜在意識その他もろもろにピタッとはまる商品が出てきたときに、「自分の求めてたのはこれだったんだ!」と気づき、いっきにそっちに流れていく人が、すでにもうたくさんいるような気がする。

たぶんそれは、音楽におけるmp3プレイヤー登場時と似たことになりそうと思ってるんだけど、どうだろか。

「ビニールのレコードを電子のレコードに」という発想ではCDまでしかいけないけれど、「電子のレコード“で”」聴きたいお客様よりも、最初から「電子のレコード“を”」聞きたいと潜在的に感じているお客様のほうが、一気に増えてきていたことに、あのとき誰かが気づいたんだろう。

そして、それまでにあった「レコード」という概念を取り払って、最初から「電子レコードを」聞きたいお客様の欲しているライフスタイルや考え方その他もろもろから考えて効果的なかたちをつくりだしたんだろう。

電子ブックも同様に、最初から「電子ブックを」読みたいお客様とは、実際にはどういうライフスタイルを持っていて、文章を読むことに対しどういう考えや姿勢を持っているか、といったことから考えていかなくちゃいけないのだろうと思うし、そのときに「紙の本」という概念はきっと、邪魔になる部分が多いのではないかと思う。

実際のところ、紙の本の代替品としてではなく、好んで電子ブックを読みたがるお客様というのは、どういう人なのかなぁ。自分にはうまくイメージできないのですよ。それがイメージできないうちは、中途半端に電子ブック化をすすめても、成功しないよな、やっぱり。


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“貼り紙メニュー”を使わなければ、お客様の決断が速くなる (1)




ディズニーランドで食事をとるのは、けっこう勇気が必要です。

週末ともなれば混雑は必定ですから、ファーストフードタイプのお店でも、食事を手に入れるまでに30分以上は見ておかなければなりません。テーブルに座ってじっくり食べようと考えるなら、1時間は覚悟する必要があります。

混雑の理由は単純で、お店のキャパシティに対して、お客様の数が圧倒的に多すぎることが原因です。

とはいえ、とくにファーストフードはその名のとおり“早く提供できる食べ物”であって、これの提供に時間がかかってしまうと、お客様のイライラを増幅させるだけでなく、注文する商品数が減ってしまったり、その後の滞留時間が短くなってしまったりと、大きな売上ロスを招く危険性をはらんでいます。そのためディズニーランドでは、少しでも早く提供できるための工夫をファーストフードショップに施しています。

販売時の混雑を解決するにはまず、提供までの待ち時間がどうして起こるのかを考える必要があります。

お客様が注文の列に並んでから商品を手に入れるまでの時間を分類してみると、以下のように4つになります。

(1) 注文する商品を決める時間
(2) 商品を注文する時間
(3) お金を払う時間
(4) 商品が出てくるまでの時間

この4つの合計時間が、

(5) 次のお客様がうしろに並ぶまでの時間

よりも長くなると、列ができてしまうのです。

このうち(2)~(4)は、スタッフの訓練と手順の効率化で、ある程度のスピードアップが可能です。しかし(1)だけは、訓練のしようがありません。なぜなら、なにを注文するかを決めるのは、お客様だからです。つまりここは、お客様次第なのです。

ここで問題になるのが、メニューの掲示方法です。お客様が料理を選ぶときに、いくつかの候補の中から迷っているのか、それとも、なにが売られているのかわからずメニューそのものを探しているのかで、決めるのにかかる時間が大きく違ってくるからです。

(つづく)

『ディズニーランドのここがすごいよ!』(永野まさる・こう書房)より

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コメント

電子ブックに関してですが、自分は'電子ブックで'読みたい派です。というのも読書量が多めの人にとっては本のスペース確保も結構深刻な問題になるからです。自分は青空文庫をiphoneに数十冊分入れ通勤時など隙間時間に読みます。また、紙の本は一度読んだ後は背表紙を裁断してスキャナで読み込み画像データ化しています。オリジナルの紙はリサイクルに出していますが、この辺は著作権の関係上非常に難しい問題だとも認識しています。またこんな苦労するくらいなら最初から電子データで売ってくれればなぁとも思います。参考になるサイトを以下に挙げときますのでご覧になってください。
http://lifehacking.jp/2009/10/scanning-your-books-and-comics/

投稿: なすけ | 2009/11/11 23:16

はじめまして。読書好きな理系の大学生ですが、まともな電子書籍に普及してほしいと切に願っています。私が電子ブックをほしいと望む理由は次のような点です。

・保管場所の問題
ワンルームマンションで一人暮らしをしていると、本の保管場所がなくなってどうしようもなくなります。

・重量の問題
旅行に出かけたときや、地元に規制するときに暇つぶしに本を持っていくのですが、10冊を超えると重量が馬鹿になりません。

・どこでもすぐに買える
↑に関連して、地方のド田舎へ行くと書店の品揃えが目も当てられなくなります。そんなところでもネットにつながる環境はたいていあるので、通販が使えないこともないんですが、1日2日はかかりますし、そもそも住所がなかったり、コンビニ受け取りをしようにもコンビニがなかったり。

・品切れ、絶版からの解放
好きな作家の過去の作品が絶版だったり、Amazonや大型書店ですら品切れだったりして入手できず、悲しい思いをすることがあります。書籍を電子化すれば、在庫リスクがなくなるので、過去の書籍や雑誌ををいくらでも入手できます。

・検索したい
古典とか、話題になった書籍、学術書等からフレーズを引用して文章を書きたいときに、書籍の内容の検索ができればと思うことが多々あります。

といった理由です。

以上、長文失礼しました。

投稿: マウス | 2009/11/12 02:50

ほぼ同意です。
今の段階で電子ブックを必要とする人間は
一部の研究者を除いてほとんどいないでしょう。
なぜなら、著作権の問題がクリアされていないからです。また、紙の本の市場を奪うため、供給先である本屋は積極的に導入したがらないでしょう。(流通業界がPSPgoに大反対したように)

流行らせる方法があるとすれば、
下賤な話ですみませんが、チェーン系の本屋と競合しにくいエロ本や同人誌などの「本屋で堂々と買いにくい業界から導入すれば、いろんな意味でニーズはあると思うので、インターネットのように年頃の男性を中心に市場に浸透させることができると思います。

投稿: eroero    | 2009/11/12 06:32

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