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2020/08/02

不自然な言葉の組み合わせが気になる (1)


主語と述語には、適した組み合わせというものがあります。

ところがときどき、組み合わせ方が不自然な文をみかけることがあります。
短い文ではあまりないのですが、少し長めの文になると、文の途中で主語と述語の適切な組み合わせを見失ってしまうのか、「その述語のかたちは違うんじゃない?」と違和感をもってしまうものに出合います。

たとえば次の文などは、非常に強い違和感があります。


その背景には、生真面目すぎても伝わらない、でも軽いだけでは伝わらない…というバランスを見極め、今、若者に刺さる“軽いけれど重たい言葉”としての発言力を持っていることは間違いない。


一見、それほど複雑には見えない文ですが、分析的に構造を見ると、思ったよりも複雑です。
というのも、文の基本構成は「主語+述語」ですが、この文の主語は、「主語+述語」の組み合わせを含むブロックとなっているからです。
つまり、「主語ブロック(主語+述語を含む)+述語」という構造になっています。

この文全体の主語となっているのは、


その背景には、生真面目すぎても伝わらない、でも軽いだけでは伝わらない…というバランスを見極め、今、若者に刺さる“軽いけれど重たい言葉”としての発言力を持っていること


です。「その~こと」(主語ブロック)は、「間違いない」(述語)というかたちです。

この大枠の部分については、特に気になるところはありません。
問題は、主語ブロック内にある「主語+述語」の組み合わせです。

主語ブロック内における主語は「その背景には」ですね。
では、「その背景には」に対応する述語はどれかというと、「持っている」の部分です。
ちなみに、「生真面目すぎて~言葉”としての」の部分は、そのあとに続く「発言力を」の内容を説明したものです。
つまり、この主語ブロックは「主語+目的語+述語」という構造になっています。

文の基本構成は「主語+述語」ですから、このブロックの主語である「その背景には」と、述語である「持っている」を組み合わせてみます。


(1)その背景には~(発言力を)持っている


どうでしょうか。違和感ありまくりです。

「背景」とは、物事の背後にある事情や理由などのことです。
つまり、「背景には」という主語に対応する述語は、「(このような事情や理由などが)ある」というかたちになっていると自然に感じます。
ところが(1)の組み合わせは、そういうかたちにはなっていないため、違和感があるのです。

そこで、違和感がなくなるように、元の文に少し手を加えて、主語ブロックの述語のあたりを書き換えてみます。


その背景には、生真面目すぎても伝わらない、でも軽いだけでは伝わらない…というバランスを見極め、今、若者に刺さる“軽いけれど重たい言葉”としての発言力がある


元の文では「発言力を持っている」となっていた部分を、「発言力がある」に書き換えてみました。こうすれば、


(2)その背景には~(発言力が)ある


というかたちになり、主語と述語の組み合わせにおいては違和感がなくなります。

しかし、違和感が残る場所はほかにもあります。
それは、目的語である「発言力を」の内容を説明する部分です。


つづく


 

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