書籍・雑誌

2018/09/02

平野啓一郎 『最後の変身』

読み切るのがすごく苦痛だった。途中の、カフカの『変身』の解釈部分はなるほどなどとも思ったけど、基本的には自意識ばかり強くて、だけどなににもなろうとせず、けっきょくなににもなれなかった主人公が、なれなかった理由を自分以外のせいにして、ひたすら愚痴と文句と泣き言を一見、理論的な感じで書き散らしているだけで、こういうことはティーンエイジャーのうちに終わらせておこうよというようなことを社会人2年目に引きこもりになったいい大人が言っているという設定がもうきつい。そして最後はインターネットを使って不特定多数を自分の愚かさに巻き込んで不快にさせてやろうという思考形態も勘弁してほしい。こういう感じの思考や行動の形態をインターネット上で見せる人はときどき実際に見かけるように思うが、人目につかないところでひとりでやってかってに朽ち果ててろよと思う。


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2018/04/22

アーネスト・ヘミングウェイ 『老人と海』

なんだろう。いまでは年老いて、漁もうまくなっている老人が、いつもより遠くの海にまで出かけ、これまでに出合ったことのない大きなカジキと数日にわたる戦いをし、ついには釣り上げたのだけど、港に戻る途中でサメに襲撃され、釣ったカジキをすべて食べられてしまったという、ストーリーとしてはなんということのない話だし、カジキとの戦いのなかでの回想は「むかしは俺もすごかった」という過去の栄光のフラッシュバックだし、なにより帰り着いたときには獲物はなしで漁としては大失敗で終わる物語なのに、読後感がなんか清々しいんだよな。だから、ときどきまた読みたくなる。なんかよくわからないけれど、また読みたくなる。




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2018/02/21

あいかわらず本つくってます


このブログ、7年もほったらかしにしてあった(汗

7年のあいだにはいろいろありました。以前勤めていた出版社は退職し、いまは別の出版社で働いてます。
所属はあいかわらず編集部ですが、仕事内容というか、仕事の範囲はずいぶん狭くなりました。

以前は企画の立案から著者の選定、原稿内容等の検討や打ち合わせ、原稿入手後の校正からDTPを経て印刷用完全データの作成と、本づくりの最初からおおよそ最後まですべてをやっていましたが、いまは原稿入手後の校正、校閲、DTPによる印刷用データの完成だけです。企画立案や著者さんとの打ち合わせといった楽しみはなくなりましたが、文字データで来る原稿を「本」というパッケージに組み立てていく楽しさはあります。

というか、いまの自分はこっちのほうが好きかもなぁ。いまは伝えたいことがあまりないので、誰かの伝えたいことを「本」というかたちにするだけで十分です。

そんなわけで、職場も仕事内容も変わりましたが、あいかわらず本つくってます。

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2009/12/11

Amazonで予約受け付け始まりましたよー

職場に12時間以上いることはできるだけ避けたいと思っているのだけど、最近はぎりぎり間に合わない状態が続いてて、どうしたものか。にもかかわらず、原稿整理はいまだ1日遅れのまま... 集中力が足りないからだなぁ、きっと。

それでも1月新刊『人材育成の教科書 ―自分で考え行動できる新入社員の育て方―』のほうは無事に作業も進み、今日、ジャケットも本文も最終校正を戻して終了。Amazonでの予約受け付けも始まりましたよー。


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2009/11/13

本の情報との最初の接点はどこなのだろう?

新聞広告、とくに業界でいうところの「サンヤツ」と呼ばれる一面下の小さな枠の書籍広告が、いまではまったくといっていいほど効果がなくなってしまった... と感じている出版社はうちだけではあるまい。

だいたいねぇ、新聞自体をとってる人が減っちゃってるし、たった1日、下のほうに小さく掲載されるだけの広告が、しかも使用できる文字のサイズや太さや形態に縛りがあって、図版も使えず、デザイン状の制限がかなり厳しいものが、多くのお客様の心に深く突き刺さり印象に残る状況っていうのがいまどき想像できるかいといわれれば、やっぱ想像できないわけで。

なので「もう新聞広告やめちゃおか、金がかかるわりには効果がないから」という方向へ進みたい今日この頃なんだけど、じゃぁ新聞の代わりにどこで告知をして潜在的なお客様に認知してもらえばいいんだとなると、とんとアイデアが浮かばない。

日頃から本が大好きで頻繁に書店に行くようなコアなお客様はきっと、書店の店頭ではじめてその本に、あるいはその書名に出会うことも多いのだろうけど、うちの本のお客様の多くは、そんなに足しげく書店に通うような方たちではないようだし、ヒット作となる本の多くは、そうした「ふだんから足しげく書店に通うような人ではない人」がなぜかその本にかぎっては買うために書店に行ったり、Amazonでポチっとしたりしてるわけなのだよ。

そういう方たちって、その本についての情報に、書店以外のどこで最初に出会ったのだろう?

日頃から足しげく書店に通うほどではないけど興味のある本はそれなりに買って読むような人が、「もしかしてこの本、買いたいかも」と思うときの、書店店頭以外でのその本の情報との最初の接点って、いったいどこがいちばん多いのだろう?

その「最初の接点」がある程度特定できれば、そこに告知場所をシフトしていくことを考えるのが自然だと思うのだけど、それがわからないんだなぁ。


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お客様の撮った写真を最強の営業ツールにするために (1)




日本人をはじめとしたアジア人は写真というものが大好きな民族のようです。欧米人にくらべると“自分が写っている写真”を撮りたがる傾向が強いのだとか。

最近はデジタルカメラが主流になり、以前のようにフィルムの残数を心配することがなくなった分、撮影する回数が増えているだけでなく、スナップ写真は携帯で、記念写真はデジカメでと、使い分けをしている人もよく見かけるようになりました。

お客様にとっては、大事な思い出をかたちあるものにするための写真撮影ですが、施設側にとっては、どんなメリットがあるのでしょうか。

実は写真は、なによりも強力な営業ツールだといえるのです。

お客様が撮影した写真はたいていの場合、その後、友人や知り合いに回覧されます。これはつまり、「ここに行ってきました」という告知宣伝をお客様自身がしてくれるようなものです。

とくに記念写真ともなれば、表情は笑顔で、その施設を満喫している雰囲気が出るように、またお客様自身がベストだと思う撮影ポイントで写っているはずですから、施設の良い点をこれほど如実に語りかけるものはありません。

ディズニーランドは「写真=営業ツール」という意識が非常に高い施設です。ですから、園内で撮影した写真をすぐに、しかもオリジナルのイラスト入りでプリントできる「フォトエキスプレス」というサービスを、早くから導入していました。

このように、園内で積極的に写真撮影をする環境をつくり、その写真を見せる環境を整えることで、お客様の写真撮影に対する“照れ”をまずは薄めるわけです。

また、日本最大の非日常空間ですから、写真を撮るのに適した場所がパーク内のいたるところにあります。お客様が自分でお気に入りの場所を探すこともできますし、とくに絵になる場所には「PHOTO SPOT」という看板表示が出ていたりもします。

そして、カメラを構えるお客様を見つけたらすぐにスタッフが「撮りましょうか?」と声をかける運営体制ですから、自然に撮られる回数は増え、写真の数も増えていきます。こうして照れ屋の人も、だんだんと被写体になることに抵抗感がなくなっていきます。

(つづく)

『ディズニーランドのここがすごいよ!』(永野まさる・こう書房)より

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2009/11/12

まずは「CD期」を経ることが必要なのかな

移転する以前は日に150程度のアクセスがあったのだけど、こっちに移転してきてからは、ずっと二桁いくかいかないか状態だったこのBlog。なのに昨日は300超、今日は700超... こわいですぅ。

業務で書いているものではないので、これに時間をかけると上司から叱られてしまいます。そんなもん書いてないで仕事しろ、といわれてしまうので、コメントとかいただいても、あまり返信とかできません。あしからず。

昨日がちょっと長文だったので、今日は手短に。

電子ブックの本格的な普及には、音楽におけるmp3プレイヤーのようなものが登場し、それが新しいライフスタイルや楽しみ方のなかに取り込まれていくことが必要に思うのだけど、音楽でそれが実現できたのは、その前に「CD期」がちゃんとあったからなのかな、とか思った。

アナログからいきなりmp3プレイヤーになったのではなく、まずはCDになって、「音楽に、デジタルファイルのかたちで触れる」という時期があった。そのときに「デジタルの音声ファイル」の使い勝手の良さを知り、それを楽しむ下地ができたから、それまでのレコードやCDといった円盤状の入れ物の概念を取っ払うことができたのかもしれない。

本はまだ、これからやっと、アナログレコードからCDになろうとしているところなのかもなぁ。たとえ古い発想のままでも、とりあえずは「書籍に、デジタルファイルのかたちで触れる」機会を増やすことが必要なのかもしれない。

このときに、「デジタルの書籍ファイル」が使い勝手の良いものとして提供され、それを多くのお客様が楽しむことができたなら、それが下地となって、これまでの本という入れ物のもつ概念の呪縛から解き放たれるのかも。

そして、初めて出会った書籍が「紙の本」ではなく、そうした「デジタルの書籍ファイル」という人が、きっと書籍におけるiPodのようなものを思い付き、開発し、購入していくんだろうなぁ。

しかし、mp3ファイルの「つくりやすさ」と「コピーのしやすさ」は重要だったよなぁ。もしCDが、音楽データをいっさいリッピングできない仕様だったり、mp3ファイルがコピーできない仕様だったりしたら、いまとはまったく違う世の中になってたよな、きっと。

とすると、これからCD期に入ろうとしている電子書籍でも、まずはデジタルの書籍ファイルから、ユーザーが簡単に「より使いやすいかたちのファイル」をつくれたり、あるいは簡単にコピーできたり、ということも、流通・普及には重要なのかも。

著作権の保護はもちろん重要だし、出版社や著者はそこから利益を得る必要があることもわかっているけど、普及促進段階でデータにコピーガードをがちがちにかけて「友達とやりとりしにくいもの」にしてしまっては、いつまでたってもなかなか普及しないかもなぁ。

あぁ、けっきょく長くなっちまった。仕事しよ。校正紙出さなくちゃ。

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“貼り紙メニュー”を使わなければ、お客様の決断が速くなる (2)




ここをスピードアップさせるために重要なのは、なにを売っているのかを、お客様にしっかり伝えることができているか、です。

たとえば街なかのスーパーなどでは、レジのまわりのいたるところに「○×200円」「□△400円」などと貼り紙をしているのがよく見られます。最近はパソコンや、パウチなどの防水加工ができる装置などもあり、洗練されたデザインの“貼り紙メニュー”が簡単につくれるようにもなりました。これにより、お金を払う直前での衝動買いを促す可能性が高まる、なかなか良いアイデアといえます。

しかしファーストフードショップにとっては、これは悪い手法となるのです。なぜなら、こうした“貼り紙メニュー”が多数掲示されることで、お客様の目があちこちにいってしまい、なかなか注文内容を決められない原因になる可能性が高いからです。

貼り紙メニューを見て注文を決めかけたけれど、レジのところで通常メニューの商品を見たら、また気持ちが揺らぐこともあります。こうして時間がどんどん延びてしまいます。

ですから、お客様に素早くどんどん商品を売らなくてはならないファーストフードで(1)を最短にするには、メニューをわかりやすいところに掲示することと、記載内容の違うメニューがお客様の目に入らないようにすることが重要なのです。

ディズニーランドでは、“貼り紙メニュー”を見たことがありません。季節限定商品でも、正式なメニューボードをつくって掲示しています。

これはたんに美観の問題ではなく、混雑時にも最短時間でお客様に商品提供できるようにするための、売上増加対策のひとつなのです。重要なのはメニュー内の商品を探させることであり、メニュー自体を探させては、売上ロスが発生するのは避けられないからです。

ちなみにこれは飲食施設に限ったことではなく、注意の喚起や施設の案内などもおなじです。情報を“貼り紙メニュー”で追加していくと、どれが重要なのかがわかりにくくなり、お客様は困惑します。それは施設の安全維持の観点から、大きな問題になります。

『ディズニーランドのここがすごいよ!』(永野まさる・こう書房)より

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2009/11/11

電子ブックって実際はどういう人が読みたがっているのだろう?


紙パッケージでの書籍市場にある種の限界のようなものが見えてきて、それなら電子ブックはどうなんだという興味?が業界内に広がっているように思うのだけど、実際のところ、電子ブックを読みたいと思っているお客様って、どういう人たちなんだろう?

業界内では「紙の本を電子に」という思考方法からなかなか抜け出せないでいるように感じるけれど、

ある本を電子ブック“で”読みたい

というのと、

電子ブック“を”読みたい

というのとでは、お客様のライフスタイルや購買動機やその他もろもろがかなり違うように思う。

「紙の本を電子ブックに」ではなく、最初から「電子ブックを」という発想が必要に思うし、「紙の本を電子ブックで」ではなく、最初から「電子ブックを」読みたいお客様が増えることなしには、電子ブック市場そのものが拡大していくようには思えない。

などとむかしながらの業界発想から抜け出せない頭で行ったり来たりの思考をしているいまこのときもすでに、最初から「電子ブックを」読みたいお客様というのはきっと発生していて、その数も増えているのだろうと思うし、そうしたお客様たちはきっと、「紙の本を電子ブックに」発想をベースに展開される議論や商品開発について「ピンとこないな」とか「ぜんぜん違うんだよな」と感じてたりするんだろうな。

だいたい、最初から「電子ブックを」読みたいお客様が、自分が、最初から「電子ブックを」読みたいことに気づいているかどうかもわからない。でも、ある日どこかから、最初から「電子ブックを」読みたいお客様のライフスタイルや潜在意識その他もろもろにピタッとはまる商品が出てきたときに、「自分の求めてたのはこれだったんだ!」と気づき、いっきにそっちに流れていく人が、すでにもうたくさんいるような気がする。

たぶんそれは、音楽におけるmp3プレイヤー登場時と似たことになりそうと思ってるんだけど、どうだろか。

「ビニールのレコードを電子のレコードに」という発想ではCDまでしかいけないけれど、「電子のレコード“で”」聴きたいお客様よりも、最初から「電子のレコード“を”」聞きたいと潜在的に感じているお客様のほうが、一気に増えてきていたことに、あのとき誰かが気づいたんだろう。

そして、それまでにあった「レコード」という概念を取り払って、最初から「電子レコードを」聞きたいお客様の欲しているライフスタイルや考え方その他もろもろから考えて効果的なかたちをつくりだしたんだろう。

電子ブックも同様に、最初から「電子ブックを」読みたいお客様とは、実際にはどういうライフスタイルを持っていて、文章を読むことに対しどういう考えや姿勢を持っているか、といったことから考えていかなくちゃいけないのだろうと思うし、そのときに「紙の本」という概念はきっと、邪魔になる部分が多いのではないかと思う。

実際のところ、紙の本の代替品としてではなく、好んで電子ブックを読みたがるお客様というのは、どういう人なのかなぁ。自分にはうまくイメージできないのですよ。それがイメージできないうちは、中途半端に電子ブック化をすすめても、成功しないよな、やっぱり。


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“貼り紙メニュー”を使わなければ、お客様の決断が速くなる (1)




ディズニーランドで食事をとるのは、けっこう勇気が必要です。

週末ともなれば混雑は必定ですから、ファーストフードタイプのお店でも、食事を手に入れるまでに30分以上は見ておかなければなりません。テーブルに座ってじっくり食べようと考えるなら、1時間は覚悟する必要があります。

混雑の理由は単純で、お店のキャパシティに対して、お客様の数が圧倒的に多すぎることが原因です。

とはいえ、とくにファーストフードはその名のとおり“早く提供できる食べ物”であって、これの提供に時間がかかってしまうと、お客様のイライラを増幅させるだけでなく、注文する商品数が減ってしまったり、その後の滞留時間が短くなってしまったりと、大きな売上ロスを招く危険性をはらんでいます。そのためディズニーランドでは、少しでも早く提供できるための工夫をファーストフードショップに施しています。

販売時の混雑を解決するにはまず、提供までの待ち時間がどうして起こるのかを考える必要があります。

お客様が注文の列に並んでから商品を手に入れるまでの時間を分類してみると、以下のように4つになります。

(1) 注文する商品を決める時間
(2) 商品を注文する時間
(3) お金を払う時間
(4) 商品が出てくるまでの時間

この4つの合計時間が、

(5) 次のお客様がうしろに並ぶまでの時間

よりも長くなると、列ができてしまうのです。

このうち(2)~(4)は、スタッフの訓練と手順の効率化で、ある程度のスピードアップが可能です。しかし(1)だけは、訓練のしようがありません。なぜなら、なにを注文するかを決めるのは、お客様だからです。つまりここは、お客様次第なのです。

ここで問題になるのが、メニューの掲示方法です。お客様が料理を選ぶときに、いくつかの候補の中から迷っているのか、それとも、なにが売られているのかわからずメニューそのものを探しているのかで、決めるのにかかる時間が大きく違ってくるからです。

(つづく)

『ディズニーランドのここがすごいよ!』(永野まさる・こう書房)より

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2009/11/10

ポイントをひとつに絞ったほうがいいように思うんだ


書名も、カバーデザインも、「ともかく“ここ”を見せたい・見てほしい」というポイントをひとつに絞ったほうがいいように思うんだ。

なのに、つい、ここも見せたい、こっちも見てほしい、これも重要だから強調したい... と欲張って、強調だらけでけっきょくどこも強調されてない書名やカバーができあがっちゃう。

それじゃね、お客様の印象に残るはずがないんだよ。

ともかく「ここ」にお客様の視線を集中させる。
ともかく「ここ」さえ見てもらえれば、あとは見落とされてもかまわない。

少なくともスタート時点ではそのくらいの気持ちで、書名もカバーデザインも考えたほうがいいんだよね、きっと。

それでも、どうしても「ここ」に絞れないなら。
「こっち」と「そっち」と「あっち」におなじ程度の重点があるなら。

それはきっと、企画自体の失敗なんだよ。

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最後の瞬間まで“できたて”ポップコーンが食べられる (2)




ディズニーランドが屋外店舗での適温管理にこだわるのは、屋内飲食店舗がほとんどの時間、混雑状態だからという事情もあります。そのため、お客様が飲食するときにワゴンなどの屋外店舗を利用する機会が多くなるからです。

このとき、ワゴン販売の食べ物が美味しくないと、「ワゴンでこれだったら、お店に入ってもこんなもんだろうな」と思われてしまう可能性があります。そうなると、そのあとにあったかもしれない「屋内店舗での飲食の機会」を失ってしまいます。それを避けるためにも、徹底して“できたて”(=おいしい)にこだわっているのでしょう。

さらにディズニーランドがすごいのは、こうした“できたて”を閉園間際まで続けていることです。ゲートの近くのポップコーンワゴンなどは、閉園放送が流れてからも煙が上がっていますし、お客様も並んでいます。作り置きもせず、クローズ時間になっても人が並んでいれば躊躇なく、どんどん新しいものをつくっています。

実は、ワゴンなどの屋外店舗で提供される商品は、飲食商品のなかでも利益率がきわめて高い商品が多いのです。設備的な制限などもあり、商品自体がもともと、複雑な加工をしているものがほとんどないうえに、原材料が安価なものが多いからです。

たとえばテーブルサービスの屋内店舗での飲食には、お皿やグラスの提供や回収が必要ですし、お皿の上の食べ物にも特製ソースがかかっていたりするわけで、手間暇がかかる分、コストもかかってしまいます。その点ワゴンの商品は、素材も加工もシンプルなものが多いので、おなじ金額分が売れた場合、利益として残るお金が全然違います。

逆にいえば、ワゴン商品はコストがそれほどかからないので、売り切れずに余った分を廃棄しても、食材の原価ロスは小さいのです。

こう考えれば、最終的に多少の廃棄が出ても、ギリギリまで“できたて”をゲストに提供して少しでも売り損じを減らしたほうが、経営的に良い結果になります。

客単価だけを見れば屋内飲食のほうが高いので、そちらを重視するレジャー施設が多いのですが、ディズニーランドは“利益率”の高い商品を最後まで徹底的に売り抜く姿勢を持っています。それがワゴン販売の重視となり、あれだけの売上へとつながるのです。

『ディズニーランドのここがすごいよ!』(永野まさる・こう書房)より

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2009/11/09

無料サンプルPDFの配布を始めました

今月新刊『ディズニーランドのここがすごいよ!』の第1章がまるまる読める「無料サンプルPDF」がオフィシャルサイトからダウンロードできます。

「ディズニーランドのここがすごいよ!無料サンプルPDF」配布中

中のページがどんな感じなのか知りたい方、レッツチェケラ!

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最後の瞬間まで“できたて”ポップコーンが食べられる (1)




ディズニーランドに行ったら必ず食べるものは?と聞くと、結構な比率でポップコーンの名前があがります。実際、場内では6種類くらいのフレーバーが売られていますが、いつ行ってもポップコーンワゴンの前には行列ができています。

10年くらい前は、ポップコーンワゴンはひとりで切り盛りしていたように思いますが、最近はほとんどが2人体制で行なわれています。ひとりではさばききれないくらい、よく売れるのでしょう。

他のレジャー施設でもポップコーンはよく売られていますが、残念ながら、ディズニーランドのように常にゲストが並んでいる施設はあまりありません。では、なぜディズニーランドのポップコーンはよく売れるのかというと、その理由のひとつに“常にできたて”をあげられると思います。

いくら味や香りがよくても、時間が経って冷たかったり、ちょっとシケているようなポップコーンでは、食べたくなりませんよね。その点ディズニーランドは、ワゴンからいつも湯気が出ていて、その場でプチプチ弾けているポップコーンを提供してくれます。

ディズニーランドには、こうしたワゴン商品と呼ばれるものがポップコーン以外にもたくさんあります。ターキーレッグ、カットフルーツ、チュロス、アイス、そしてドリンク類。しかもこれらが、温かいものは温かく、冷たいものは冷たくして販売されているところがさすがです。

こうしたワゴンで飲食物を適温で販売するのは意外に難しく、管理を怠ると「寒いときには冷たく」「暑いときには生温かい」商品になってしまいます。これではせっかくの商品が台無しです。

飲食の業界では、適温提供は売上を伸ばす大事な要素となっています。

たとえばビールのように冷たいものは、きちんと冷たい状態で出すことで、ついつい飲む勢いが速くなり、おかわりの注文も出やすくなります。温かい料理もおなじで、きちんと温かいうちは食べるペースも速いのですが、冷めてくると食べる勢いも落ちるのです。

レジャー施設も、園内の屋内店舗では適温を意識した提供をしている施設は多くあります。しかし屋外になると、こうした意識が強い施設と弱い施設は一目瞭然になってきます。

(つづく)

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2009/11/06

タイトル会議、白熱した

今日はほぼ1日中、会議でした。

いろいろな議題を順番にかけていくわけですが、
もっとも白熱したのはタイトル会議。
1月新刊のタイトル検討です。

今月から、これまでと少し会議のやり方が変わり、
多くの意見やその変容が見えるかたちになったので、
なかなかおもしろかった。
以前よりも、
多角的で深い考察をまじえた検討になったと思います。

これで少しはお客様の心により届くタイトルがつけられるか。
お客様の心をつかめるタイトルが付けられるか。


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“人気メニュー”だからこそ早く食べられるようにする (2)




冒頭にも書いたように、カレーライスは老若男女に好まれるメニューです。つまり、カレーを食べたいお客様の比率は、他のメニューを食べたい人よりも高いのです。

そのため、パーク内が混雑するにつれ、他のメニューが出る数よりもカレーが出る数の伸び率のほうが、どんどん大きくなっていきます。それを考えると、カレー屋さんは、1日でもっとも多くのお客様をさばける飲食施設であることが必要なのです。

そうであるなら、カレーライスはファーストフードとして扱うべきです。ファーストフードなので、商品以外は装置だけを準備しておき、お客様の好みに応じて自由に使ってもらうほうが、より多くのお客様にカレーライスを提供することができます。これが結果として、お客様の満足度を上げることになります。

みんなが大好きなメニューだから、みすぼらしくないように食器はしっかりしたものを使うけれど、できるだけ多くの人が食べられるように、小皿に分けたりライスやナンを選ばせたりなど時間がかかることはせず、盛りつけはシンプルに、ドリンクもセルフでと、多人数をさばける運営体制を取る――、これがディズニーランドのやり方です。

その結果、ハンバーガーやピザのお店と同様のスピードでカレーライスが提供されています。そのため、混雑した日でも割合スムーズに食べられることも多く、自分も1日に2回、このカレー屋さんを利用することもよくあります。

「みんなに好かれるものだから、できるだけ高級感を出して、良いお店で食べてもらおう」という考え方も間違いではありませんが、年間で千万人単位の人が訪れる施設では、「みんなに好かれているものは、みんなが食べられるようにする」ことを優先した運営をすることも、重要な顧客満足施策です。


『ディズニーランドのここがすごいよ!』(永野まさる・こう書房)より

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